・Atomx XYZは、多用途性と高機能性を兼ね備えた自動VOC試料前処理システムです。
・現在市場で唯一、自動化機構と濃縮装置を一体化したプラットフォームであり、さらにUSEPAメソッド5035に準拠した高濃度土壌試料の自動メタノール抽出を実現した唯一の装置です。

型番:OSK 33UM XYZ-VOC
◎特徴◎
- 高精度バルブマニホールドと改良型水分コントロール機構を採用し、GCへの水分移行を最小化。
- 84本のVOAバイアル対応トレイにより、高スループット分析を実現。
- システム全体のコンパクト化により、設置スペースを大幅に削減。
- 急速トラップ冷却機能を搭載し、連続分析の効率を向上。
- メタノールリンス機能および特許取得済みの二段式温水ヒーター(90 °C)により、キャリーオーバー・ クロスコンタミネーションを効果的に防止。
- 自動漏れ検知・診断機能を搭載し、保守管理を容易に。
- 長年の実績に基づく自動化技術とインテリジェントソフトウェアにより、無人運転・安定動作を実現。
- シンプルな配管構造でメンテナンス性向上。
- 競争力のある価格設定で導入しやすい。
柔軟性
- Atomx XYZは、飲料水、廃水、土壌、スラッジなど多様な試料に対応する高い柔軟性を備えています。
- 特許取得済みの三段構造単一ニードル設計により、液体試料をバイアルからスパージャーへ移送することはもちろん、低濃度固体試料をバイアル内で直接パージすることも可能です。
- さらに、高濃度固体試料に対しては、同じニードルを用いてメタノールの添加、撹拌、希釈、抽出までを自動で行います。
- 本装置は完全密閉型システムを採用しており、USEPAメソッド5035に準拠し、VOC損失を最小限に抑えます。
- また、サロゲート標準物質の添加は、抽出の前後いずれの段階でも可能です。
完全自動化
Atomx XYZは、試料前処理からパージ&トラップ(P&T)工程までの全プロセスを完全自動化しています。 これにより、分析者の手作業を最小限に抑え、高い再現性とスループットを実現します。 自動化される主な工程は以下の通りです:
- バイアルハンドリング
- 試料体積測定
- 標準液注入
- 自動希釈
- リンス洗浄
- パージ工程
- 脱着工程
- ベーキング工程
自動メタノール抽出
― 信頼性の高い結果と作業効率の向上 ―
メタノール抽出工程の自動化により、分析技術者は煩雑な手作業から解放されます。 Atomx XYZの自動ME機能は、手動による前処理と同等またはそれ以上の再現性と精度を実現します。 これにより、試料処理の信頼性を確保しつつ、ラボの人的リソースの最適化と効率的な運用を可能にします。


A. 単一プラットフォームシステム
濃縮装置と土壌/水用オートサンプラーを統合することで、作業台スペースを節約するとともに、消耗品・部品・保守管理を簡素化できます。
B. 試料台(84位置)
従来モデルよりも搭載容量が向上し、試料のセットが迅速に行えます。また、冷却トレイオプションの追加も可能です。
C. XYZ自動化機構
高速かつ静音設計のアームは、長年にわたる改良とテストを経て、従来のXYZオートサンプラーで見られた課題を解消しています。
D. 試料昇降機
試料昇降機には、バイアル加熱装置および可変速度攪拌機構を搭載しており、バイアル内の液体試料や土壌試料を効率的に処理できます。さらに、バイアル剥離バーにより、バイアルとサンプル針の干渉を防止します。
E. シリンジ駆動装置
本装置は、0〜25 mLの試料を0.1 mL単位で精密に分注することが可能です。シリンジバルブ内の気泡は試料の一部でパージされるため、分注精度が確実に保証されます。
F. 高度水分制御システム(MCS)
本システムは、従来モデルに比べてGCシステムへ移行する水蒸気を50%低減するよう設計されています。効率的な水分制御により、乾燥パージ時間を最小化し、試料処理サイクル時間を短縮することが可能です。
G. トラップ簡易アクセス
分析用トラップ収納部には十分なスペースが確保されており、アクセスドアおよびトラップ接続部が容易に操作可能です。これにより、日常的なトラップ交換作業を迅速かつ簡便に行うことができます。
H. トラップ冷却性能向上
従来モデルに比べ、最大22%の冷却速度向上を実現しています。これは、強力なファンと専用導風路により、装置内部の加熱空気ではなく外部の冷気を取り込む構造によるものです。
I. 改良型バルブマニホールド
精密加工されたバルブマニホールドにより、配管接続数を従来設計比で52%削減し、システムの信頼性向上を実現しています。
–
・自動メタノール抽出(ME)機能 – 低濃度および高濃度土壌試料(>200 ppb)のサンプリングおよびメタノール抽出工程の自動化が可能です。
・メタノール洗浄機能 – 針、試料ライン、ガラス器具を洗浄することで、キャリーオーバーの発生を最大50%低減します。
・デジタル質量流量制御装置(MFC、特許取得) – 流量を独立してプログラム可能で、水試料および土壌試料のメソッド最適化を容易にします。
・自動希釈機能 – 試料体積を最大100倍まで希釈することが可能です(5 mLおよび25 mL試料を基準)。さらに、メタノール抽出(ME)に必要な50 μLまたは100 μLの試料抽出にも対応しています。
Atomx XYZ TekLink™ ソフトウェア
Atomx XYZ TekLink™は、精密な制御と監視を可能にしつつ、簡便な操作性を提供するユーザーインターフェースとして設計されています。ソフトウェアには、標準で利用可能な既定メソッドが含まれており、特定の試料に対する精密なメソッド作成や複雑なスケジュール構築にも対応します。
画面は浮動式で、必要に応じてデスクトップに固定することが可能で、不要な画面は非表示にして作業環境を整理できます。バックグラウンドでは、分析プロセスを常時監視し、操作限界を超えないよう管理します。必要に応じて、自動リークチェックおよびベンチマークテスト機能により、トラブルシューティングや装置検証を支援します。

スケジュール画面
スケジュール画面では、自動入力、ドロップダウン、右クリック機能によりスケジュール作成が迅速に行えます。複数メソッドの組み合わせ、3種類の内部標準物質および各種希釈を1つのスケジュールに統合でき、リアルタイムで編集・修正が可能です。
装置状態画面
装置状態画面では、分析プロセスのリアルタイム監視を行い、作動中メソッド、現在のモード、設定済みおよび現在値の全パラメータを確認できます。


メソッド開発画面
メソッド開発画面では、標準的な水試料、土壌試料、メタノール抽出メソッドを読み込み、各試料タイプに応じたパラメータの最適化が可能です。スタンバイ、パージ、脱着、ベーキングの各タブにより、パラメータの効率的な確認と修正が可能で、タブ右側にパラメータの説明や有用情報が表示されます。
診断オプション
診断オプションにより、システム構成部品の直接制御、自動ベンチマークテストによる検証およびシステムリークチェックが可能です。また、シリンジ交換・初期化やオートサンプラー調整を支援するメンテナンスウィザードも搭載されています。

◎仕様◎
| 型番 | OSK 33UM XYZ-VOC | |||
|---|---|---|---|---|
| オートメーション | 試料搭載容量 | 40 mL VOAバイアル用84ポジション | ||
| バイアルサイズ | 40 mL、単孔キャップ付きPTFE面シリコーンシール、キャップ・シール除く高さ3 3/4インチ、外径1 1/16インチ、内径24 mm | |||
| 試料処理 | 液体処理 | ・サンプルシリンジ(25 mL):1〜25 mLを0.1 mL単位で分注 ・液体移送チューブは外径1/16インチPEEK™ |
||
| サンプルガス経路 | ガラス、PEEK™、Inertium®、SilcoTek®、PTFEを使用 | |||
| 洗浄 | ・メタノール洗浄と高温DI水洗浄を組み合わせて、液体サンプル経路全体を洗浄可能 ・針およびガラス器具の洗浄量と回数はユーザー設定可能 |
|||
| ガス処理 | 電子式MFC | 各動作モード間で5〜500 mL/minの流量制御が可能(特許取得済) | ||
| 圧力モニタリング | 各サンプルのパージおよびベイク圧力を記録可能 | |||
| ガス供給 | ・超高純度(99.999%)ヘリウムまたは窒素 ・供給圧力:65〜100 psig(最大100 psig) |
|||
| 標準注入 | 注入システム | 内部バルブマニホールドに取り付けられた2方向ドージングバルブを使用する3つの標準注入システム | ||
| 容量 | 1, 2, 5, 10, 20 µL単位 | |||
| 消費量 | 1 µL注入ごとに1 µL | |||
| 標準容器 | 15 mL標準容器×3、UV保護で標準安定性向上、 標準濃度保持のため圧力密封 |
|||
| 液体サンプル | サンプル種類 | ・飲料水および廃水を含む ・直立した40 mLバイアルの底部から測定して最大15 mmの堆積物を含む液体サンプル |
||
| サンプルガラス器具 | ・5〜25 mLのフリット付きまたはフリットなしスパージ容器での運用が可能 ・標準で5 mLフリット付きガラス器具を搭載 |
|||
| サンプル希釈 | 1:100、1:50、1:25、1:10、1:5、1:2の自動希釈が可能 | |||
| ブランク | ・水リザーバーから自動的にブランクを採取し、標準添加が可能 ・オートサンプラの全ポジションで使用可能 |
|||
| サイクル時間 | 総パージ&トラップサイクル時間は18分以内(方法により変動) | |||
| 低濃度固体サンプル | サンプル種類 | ・すべての種類の天然土壌および堆積物を含む ・サンプリング:USEPA 5035低濃度土壌法に基づき、バイアル内で直接パージ |
||
| サンプルニードル | 特許取得の3段式ニードルにより、水および標準液を固体サンプルがパージされるバイアル内に直接添加可能 | |||
| バイアルヒーター | 35 °C〜80 °Cの可変温度制御 | |||
| 撹拌 | 固体サンプルは撹拌バーにより3段階の可変速度で撹拌可能 | |||
| 高濃度固体サンプル | サンプル種類 | ・すべての種類の土壌および堆積物を含む ・サンプリング:USEPA 5035高濃度土壌法に基づき、自動メタノール抽出およびその後の希釈を実施 |
||
| 抽出 | 高濃度土壌サンプルのメタノール抽出を完全自動化可能 | |||
| マトリックススパイク | メタノール抽出時に、代替標準物質を固体サンプルへ直接添加できる構成 | |||
| 抽出希釈 | 5 mLサンプル容量に対して、メタノール抽出液を1:100または1:50で自動希釈可能 | |||
| システム制御 | 装置制御 | ・Atomx XYZ TekLink™ ソフトウェア(Windows® 7以降環境対応) ・USB経由で接続 |
||
| メソッドスケジューリング | ・すべてのメソッドタイプをサンプルシーケンス内の任意の位置から実行可能 ・最大3種類の標準物質を任意の位置に追加可能 ・同一バイアルからの複数回実行も可能(推奨外)。 |
|||
| システム履歴 | すべてのサンプル、スケジュールおよびメソッド情報の完全な履歴を記録 | |||
| サービス | 電子リークチェック | ・自動システムリークチェック機能により、装置内の全サンプル経路のリーク確認が可能 ・リーク検出後は、内蔵診断機能により各サブシステムのリークを個別に確認 |
||
| ベンチマークテスト | バルブ、ヒーター、バイアル搬送機構、液体供給システム、入出力など、装置全体の電気・機械動作を検証するテストモードを搭載 | |||
| 診断機能 | 全バルブ、バイアル搬送機構、シリンジ駆動を個別制御でき、トラブルシューティングが可能 | |||
| 公式測定法 | USEPA:502.1、502.2、524.2、524.3、524.4、503.1、601、602、603、624、5035、8010、8015、8020、8021、8030、8240、8260、 ASTMおよびStandard Methods、マサチューセッツ州VPH(揮発性石油系炭化水素)およびGRO(ガソリン範囲有機物)分析法。 |
|||
| 環境仕様 | 動作温度:10~30°C 保管温度:-20~60°C 相対湿度:10~90% |
|||
| 耐腐食性 | 前面カバーおよびサンプルトレイは、pH 1~10 の水に対して耐腐食性を有する | |||
| 寸法(W×D×H) | 約70.1 x 58.42 x 49.5 cm(27.6 x 23 x 19.5 in) 重量:約43.1kg(95 ポンド) |
|||
| 電源仕様 | 100–120 VAC(±10%)、50/60 Hz、10.0A、1150W 220–240 VAC(±10%)、50/60 Hz、5.0A、1150W |
|||
◎標準構成品◎
- OSK 33UM XYZ-VOC Atomx XYZ 全自動VOC試料前処理装置 本体
- 和文取扱説明書
◎オプション◎
・pHプローブ:pHプローブにより、スケジュール内の全ての試料のpH値を測定・記録することが可能です。







